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暇人の戯言

自称暇人が暇な時につらつらと好き勝手書かせていただきます。

遭難しないための登山に必要な大事なこと ~「心」編~

3つの大事なこと

 いきなり結論から言いますと「心技体」の3つが必要だと考えています。「登山には何が必要ですか?」と質問を投げかけると多くの人から「技術」「体力」などの答えが出てくるでしょう。しかし、私はそれらに「心」を付け足した「心技体」をバランスよく持っていないと遭難事故につながってしまうと自身の経験から身に染みて感じています。今回は「心」に焦点を当て、「心」が欠けていた場合どのように事故が起きるのか、どのようにして対策をすればよいのか私の経験とかつて分析した遭難事故を踏まえて考えていきます。

 

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登山における「心」とは?

 一言で「心」と言っても色々な捉え方があります。ここでは経験の裏付けに基づいた精神的強さのことを「心」と呼びます。

 

「心」が欠けていた時の遭難の原因

 体力不足や技術不足での遭難より心理的要因での遭難事故の方が多いように思えます。ここでは7つの心理的要因による遭難の原因を挙げます。

 

  1. 油断

 自分では油断していないつもりでも知らぬ間に油断していることも多々あります。大学1年の9月に御嶽山へ登った時、山頂直下の下りで「下りは余裕だ♪」といった感じで歩いていたらストックを突いた拍子に地面が突然崩れて転倒。足の靭帯を一部損傷してしまいました。足を引きずりながらなんとか標高差1000mの登山道を下ってきましたが、もし上手く受け身を取れていなかったら足首の骨までポッキリ折れていたそうです。

 

  1. 慢心

 つい「これくらいなら大丈夫」「何とかなる」と思ってしまうと思います。高校1年の夏に初めての日本アルプス西穂高岳に行ったときに、これまた山頂直下の登りで目印を見失い「どっちから行っても大丈夫だろう」と間違った道に突っ込んでいき浮石を踏んで足場を崩してしまいました。両手のホールドは崩れなかったので半ば宙ぶらりんのような状態から硬い身体を目一杯伸ばして、手のホールドのところに足を掛け難を乗り切りました。

 

  1. 虚栄心

 細い登山道で道を譲ってもらったとき、颯爽とカッコよくすれ違いたいと思う人は多くいると思います。私もその一人で大学2年の6月に行った八経ヶ岳の行者還トンネル西口への下りですれ違いざまにすってんころりん。腰を強打し翌日から接骨院に通う羽目になりました。

 

  1. 焦燥

 予定より時間が遅れてしまい、陽が落ちてくるととても焦りますね。大学2年の8月に南アルプス北岳に行ったとき、昼過ぎであと30分も歩けば北岳小屋という稜線上で突然雷雲が発生し雷雨で大慌て。雨に濡れることなどお構いなしに全力疾走で小屋へ駆け込みました。あとから到着した同行者に慌てすぎで逆に危ないと注意されました。

 

  1. 過信

 「何度も登ったことがある山だから」「事前にコースは確認してきたから」といった安全であるという理由にあまりなっていないのに自信満々の人を良く見かけます。私もその一人だったことがあり、大学1年の8月に穂高岳吊尾根を単独縦走したとき、大学受験でブランクがあるにもかかわらずたいしたトレーニングもしないまま登り吊尾根のど真ん中で疲労困憊。5歩歩いて休憩というような歩き方で何とか穂高岳山荘まではたどり着いたものの涸沢のテントに戻れず。小屋の従業員に怒られながらも小屋で一泊しました。

 

  1. 注意力不足

 疲労、寒さ、空腹などで注意力が散漫になることがあります。私自身、注意力不足で遭難しかけたケースはないのですが、注意力不足のため道標を見落としてしまい現在地がわからなくなることがあるという事例が多くあります。

 

  1. 依存心

 山ではベテランそうな人を見かけるとつい頼ってしまうこともあります。大学2年の8月に初めて剱岳に行ったときに前を歩くベテラン風のおじいさんについて行くと後続パーティーの人が「そっちは違いますよ!!」と呼びかけてくださり難を逃れました。聞けばベテラン風のおじいさんも剱岳は初めてだったみたいです。

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心理的要因による遭難対策

 一言に遭難対策といっても経験者に来てもらうだとか、装備を整えるという事だけではいけないです。自分自身がしっかりとした意識を持つことが最善の対策です。特に気を付けて意識すればよい4つ挙げます。

  1. 時間、体力、装備に余裕をもつ

 例えば、もし道に迷ってしまったとき、引き返すだけの時間や体力に余裕が要ります。また、装備も予報が晴れでも雨具を用意したり、日帰りでも非常食を用意したりするだけで「しっかり用意した!!」と気持ちも高まります。

 

  1. 自分に見合った山を選ぶ

 例えば高尾山しか登ったことのない人がいきなり剱岳に登りたいと言っても登れないことは素人の人でもわかると思います。しかし、ある程度経験を積むと感覚が麻痺してしまい背伸びしてしまうこともあるでしょう。ですので、常に自分の力量がどれほどあるのか自己分析を行うようにしましょう。また、同行者ともマッチした山域を選び、ペースや技術で気が置けない相手とでも充分楽しめる場所にしましょう。

 

  1. 事前準備(情報収集)を入念に行う

 登山道を歩いているときに突然危険個所が出現すれば慌てない人は多分いないでしょう。しかし、そこに危険個所があることが事前にわかっていれば対策や心の準備をすることができます。ですので、危険個所のチェックなどの事前の下調べはしっかり行いましょう。また、登山地図に表記されているコースタイムもあくまで目安なので、自分の歩行速度に合わせたコースタイムを設定するようにもしましょう。

 

  1. 油断や無理をせず、冷静に行動。地図確認

 慣れたコースでも気が抜けていると間違えてしまう可能性が高いです。分岐など紛らわしい地点では必ず地図を確認するようにしましょう。分岐以外でも少しでもおかしいと感じたらすぐに立ち止まり地図を広げて周囲の地形で現在地を確認するようにしましょう。また、歩行中は気を抜かず、ホッと一息つける少し広くなったところなどで休憩し気持ちをリセットさせましょう。それでもあやふやなときは装備を下して座り、コーヒーと甘いもので落ち着きましょう。←これオススメです!!

 

 

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最後に

 アウトドアブームが続く中、遭難対策が騒がれるようになって久しいです。映画化もされた大人気の石塚真一さんの漫画『岳』でも山岳救助が描かれており、多くの人が遭難について考え対策をしています。しかし、どれも体力、技術、装備が云々といった内容で自分自身の対策が講じられていないように思われます。皆さんもこれを機会に山に登る時の自分自身とむきあってみてはいかがでしょうか?

 

【参考文献】

No.947 山と溪谷 2014年3月号(平成26年3月1日 山と溪谷社)